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松本大策のコラム
堆肥舎の位置と肉色

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2012年11月19日

 以前、何度か肉色改善のお仕事を依頼されたことがあります。そのなかで、最も多かったのは、後期飼料のデンプンとタンパクのバランスが取れていないケースでした。次はストレスによって発生する「活性酸素」の問題でしょうか。

 これらはいずれも、系統に合わせてタンパク質とデンプンのバランスをとってあげたり、ストレスを抑制したり抗酸化物質を添加するなどの方法で改善してくれました。

 ところが、なかなか気づかなかったのが、堆肥舎からの悪臭です。これは肉色が悪化した時期と、堆肥舎の運用された時期が重なっていたので、もしや?と思い、線香で堆肥舎の風の流れを見てみました。
 すると、堆肥舎からの悪臭がもろに牛舎へ流れていることが解りました。悪臭の物質が直接悪さをするのか、牛さんのストレスになるのかは解りませんが、そのままでストレスを抑えるような薬剤を飼料添加しても、肉色の改善は図ることができませんでした。

 そこで、堆肥舎の牛舎とは反対側の壁に強力な換気扇を何個かつけて、悪臭が流れてこないようにしたところ、肉色だけでなく増体も改善したのです。この手法は、現在同様な事例では、必ずやっていただいています。

 ただ、換気扇の向こう側(悪臭が強制排気された外部)の杉の林が枯れてしまったことがあります。やはり、かなり生き物に悪い物質が含まれているようです。お隣さんに怒鳴り込まれることだけは、皆さん注意して下さいね。

堆肥舎の位置と肉色01

堆肥舎の位置と肉色02

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