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ゲストのコラム
百万石物語(第3回)

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2012年11月6日

~ 少年時代Ⅰ ~

 三人兄弟の末っ子(一姫二太郎)である。
七つ上の姉は、厳しくも大事に育てられた。
四つ上の兄は、千葉家の家督として別格に育てられた。兄とのケンカでは、いつも叱られる立場だった。私が悪くなくても、ゲンコツをいつも祖父からもらった。「家の家督がそんなに大事か、差別でねが…。」と思った。「おまえは、川から拾われてきた。」とか、「この人にけてやっから(くれてやるから)。」と言われたことが今でも心に残っている。もちろん冗談だとは思うのだが、とても寂しい気持ちになった。「俺って、何?」

 そんな少年は、秋が深まった今時節、麻袋に砂と落ち葉をたくさん詰め込み、サンドバックを作り、柿の木に吊るした。キックボクシングだ。また、稲杭で作ったバットを握り、それ目がけて振り回したりもした。兄とキャッチボールすることもあったが、兄が近距離から速いボールを投げるため、胸や顔に当たり怖かった。最後はやっぱりケンカになった。「いづがみてろよ…。」そんな少年は、学年が上がるにつれ、兄より上手くなっていった。

 勉強はできなかったが、近所の幼なじみとよく遊んだ。特に冬の‘牛ぞり’は、スリル満点だった。家の農作業も手伝った。「まさひこちゃん、よくやるなあ~。」と大人に褒められると調子に乗り、ますます家の手伝いをするようになった。同時に、いつかこの家を出なければならない。いる間に、この家のために役に立とうと思った。

百万石物語(第3回)

(つづく)

株式会社百万石牧場
代表取締役 千葉 正彦
http://www.hyakumangoku.vtown.jp/

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