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百万石物語(第2回) |
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2012年10月30日
~紋次郎~
私を種牛の世界に引きずり込んだのは、『紋次郎』。
福島全共で、若雄区2席。その後、事業団が1,700万円で購買。子牛生産頭数14万頭。1ストロー、10万円まで上がったそうだ。酪農家に愛され、和牛界に飛び火し、名牛となった。
福島全共初日、朝4:30より下見。足が止まった。「5年後、この牛はくる!」と予感した。理由は二つ。引きつけた品位、そして血統。とりわけ、母の父田森土井の存在が大きかった。
精液販売後、すぐ購入。農家に勧めるも反応は悪い。ならば、自分で立証しようと自家産で県共出品。広島で学んだ事を全て試した。結果、名誉賞をいただいた。(27才)
肉の評価もうなぎ上り。茂重波との交配では、外れることは少なかった。『紋次郎』の産子は、栗毛・胴長・足長・面長である。発育良好2割、普通4割、ピンコ4割。しかし、コザシが特徴。
信じて使ってくれた農家だけが高値で取り引き。「おかげさまで。」という言葉がたくさんもらえるようになった。おかげで私も人工授精師の道を本業として歩むことを決意。天職だぁ~。車も中古のゴルフから新車のゴルフに替えた。営業時間はフルタイム。「さあー、何時でも来い。」
PS.福島全共時、TV番組「田舎に泊まろう」ではありませんが、アポなしで、4日間も農家さんに泊めていただきました。今思えば、見知らぬ青年をよく泊めたなあと思います。ありがとうございました。感謝いたします。

(つづく)
株式会社百万石牧場
代表取締役 千葉 正彦
http://www.hyakumangoku.vtown.jp/
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