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松本大策のコラム
「子牛を丈夫に育てる その17〜ミルクのお話し(5)〜」

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2010年2月15日


群編成ストレスの対策

 群編成ストレスの影響を、少しでも軽くするためにはいくつかの注意が必要です。まずは、1群の頭数をなるだけ少なくすること。ホルスタインでしたら陽気なアメリカ人と同じように、人見知りせずたくさんの頭数の群を作れます。80頭1群なんて平気です。でも、僕たち日本人と同じように、和牛ではシャイなので、群の頭数が多くなると受けるストレスも大きくなってしまいます。僕の経験では、子牛でも30頭を超えたらストレスのよる免疫低下で、急速に肺炎が蔓延するようです。では、何頭位の群が好ましいのか?というと、理想は6頭程度です。哺乳ロボットは、乳首が二つ付いてますから、二部屋の管理で1台の哺乳ロボットあたり12頭になります。必ず2群管理しましょうね。だって、1部屋あたりの頭数が半分になりますからね。

 6頭なら、その後の部屋の移動でも同じ群で動かせますからね。もちろんこれはあくまで理想の頭数で、実際は10頭ぐらいなら問題ないでしょう。
 「えーっ?高い金出して哺乳ロボットを導入したのに、たったそれだけしか管理できないの?」って言われそうですが、実際一群6頭で、2ヶ月哺乳するとしたら、もしもお母さん牛さんが年1産してたとしても、6頭×2ヶ月で母牛72頭までは対応できるのですよ。一群10頭なら、お母さん牛を120頭まで増やせます。どうです?意外にたくさん飼えるでしょ?
 とりあえず、「頭数が少ない方が群編成ストレスは少ない」ということは、大切なこととしておいておいてください。

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