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蓮沼浩のコラム
第300話: リスボン放浪記 その20

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2012年10月25日

 闘牛の開始時間になりいそいそと観客席につきます。さっそくビールを購入しスタンバイ。しかし、ここのビールがなんだかぬるくて気が抜けたビールときた。あれ?今まで飲んだビールはうまかったのにここのは・・・。もしかしたら外国のビールはこのようなものかもしれない。ドイツのビールはぬるいと聞いたことがあるぞ。それかも?と無理やり思いこんでがぶがぶ飲む。闘牛といえばマタドールが出てきてマントを上手に使って牛さんを華麗に操るものと思っているとポルトガルの闘牛は違いました。馬に乗った顔の濃ゆいおじさんが猛牛に追っかけられながらひたすら逃げて、隙を見つけて槍を頸部に刺すというスタイルです。そして最後に猛牛と真っ正面から立ち向かい、さっとよけて短い槍を刺して終了です。ホールの上のほうには専属の音楽隊がいてズンチャカ、ズンチャカと味のある音楽を演奏しています。ラッパなどもいい感じで鳴っており決闘の雰囲気が醸し出されます。獣医師の目から見て牛さんは思ったよりでかく(600kgくらいか)、勢いも相当あります。もちろん「猛獣」と表現して間違いはありません。角の先端は切ってあり危険性は低くなっているのですが、ちょっと・・・・・・診療したくないなというのが正直な感想です。とにかく突進力が半端ではありません。原野で一人、一対一で向き合ったら果たして逃げ切れるか・・・・たぶん無理でしょう。では、熊のように死んだふりは果たして効くのか・・・・効果は不明ですが、意外といけるかも?まあ、命の危険を感じる相手であることは間違いありません。また、一つの見どころとして顔の濃ゆいおじさんの乗馬テクニックのすさまじさがあります。素人目に見ても半端じゃなく上手いです。猛牛は馬とおじさんに一回もかすることもできません。とにかくものすごい白馬の王子様なのですが、顔が濃ゆいです。しかし、この闘牛にはさらなるすごい野郎が登場して思わず度肝を抜かれました。次回紹介いたしますね。

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(続く)

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