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分娩前2ヶ月のお母さん牛の飼料給与で、乾物量が足りないと子牛が小さかったり病気がちになったりすることが多いのです。逆に乾物量が十分でもカロリー(TDN)が足りない場合は、分娩後の発情回帰が悪くなります。 また、分娩前に増し飼いをする配合は、お母さん牛の餌というより、おなかの赤ちゃんのための餌ですから、僕は子牛育成用を与えてもらうことが多いです。その方が、子牛の胸腺(子牛の頃、首から胸のかけて存在するリンパで、子牛の免疫のセンター)も大きいように思います。 とにかく、お母さん牛さんが「おなか空いたよー」って顔をしている牧場では、子牛の体格が小さかったり、生まれてから病気がちだったりすることが多いということを覚えておいてください。これは、乾物量が足りない場合、お母さん牛さんが「腹ぺこストレス」を感じて、体内で「副腎皮質ホルモン」というホルモンを分泌するからです。このホルモンは、ストレスに対抗するのですが、副作用として流産を起こすこともありますし、免疫を抑制する働きがあるのです。 |