2012年10月2日 5月25日、震災後初めて福島県の会津地方を訪れました。 食用馬を、日本で一番たくさん飼育しているのは熊本県。そして二番目が福島県で、その大部分が会津地方で飼育されていることをご存知でしたか? その中で一番たくさん馬肉を生産している㈱会津畜産を訪ねました。 同社は、元々牛の肥育を手がけていた社長の佐藤秀則さんが、80年代に馬の肥育に転身。牛や豚と違い、馬は食用に飼育する技術が確立されていないため、ほぼ独力でそのノウハウを築いてこられたそうです。 直営の牧場には300頭もの馬たちがいます。
身体の大きさも、毛の色も、ここへ来た月齢も、みんな違う。じっとしておとなしい子も、身体から湯気を立て興奮している子もいます。耳を伏せているのは、ゴキゲンナナメのサイン。中にはいたずら好きな馬もいて、私は危うくカメラを入れたリュックを背後から喰われそうになりました。 元々乗馬や競馬用に飼育されていたサラブレッドを引き取って、飼育しているそうです。熊本では海外から大量に馬を仕入れて肥育するのに対し、会津では、国産の馬を肥育。また、熊本がサシを重視して肥育するのに対し、会津では赤身を重んじる。そんな違いがあります。さらに、驚いたのは馬の食事は1頭ごとにその内容が違うこと。 牧場を後にして加工センターにも行きました。HACCPを導入し、昨年ISO22000とISO/TS22002の認証を同時に取得。最新鋭の衛生管理システムを備えた加工場の中で、枝肉が解体され、モモ、ロース、ヒレ、フエタゴ(バラ肉)、タテガミなどの部位に分けられパック詰めされます。 震災直後、会津地方には地震や原発事故の影響は、ほとんどないにも関わらず、観光客や農産物の売上げがダウン。苦戦を強いられました。しかし、その後、牛肉ユッケの提供が難しくなり、元々細菌数の少ない「馬肉」に徐々に注目が集まり、追い風が吹いてきました。牛肉に比べ、低脂肪、高タンパク、高ミネラル。ヘルシーな食品であるのも事実です。 自家製の唐辛子味噌と醤油で馬刺を味わうのが、会津流。モツや生レバーは、現地でいただいたモツや生レバーも、ウマい、ウマい! だって馬なんだもーん。 会津の人たちには、「福島の復興を引っ張るのは我々だ」という自負があります。中でも食の復興を、ものすごい馬力で引っ張って行くのがこの馬肉。他にもウマいものいっぱいです。ぜひ、現地で味わってください。 ● 会津畜産 http://www.aizu-chikusan.com (つづく) 三好かやの |