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松本大策のコラム
「ビタミンAと亜鉛のお話し その2」

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2009年8月24日

 ビタミンAには、体の表面を護る働きがあるというお話しをしましたが、じつはこの働きも亜鉛の協力がないとうまく働きません。体の表面というと、皮膚を真っ先に思い浮かべる事と思います。でも、じつは動物の身体って、マカロニみたいなものなのです。外の世界に開く口」から続く一本の管の内側が、ちょこっとふくらんで胃袋が出来て、その先がグニャグニャに曲がって腸になって肛門からまた外の世界。つまりは栄養を取り込むために、外の世界を体の中に通すための管を持っているのです。ですから消化管の粘膜も「体の表面」なわけです。それから、口から体の中に空気を取り込むために体の表面が陥没していって空気をためて酸素を取り込む袋を作ったのが気管や肺と言った呼吸器です。また、哺乳類以外の生き物は卵を巣穴の中に産みますが、外敵に襲われる危険が高いので、体内に卵を抱く巣穴を取り込んだのが子宮などの「生殖器」です。
 みなさん「フケ」ってご存じでしょ?頭にでるヤツ。あれも、亜鉛の不足で頭皮が「不全角化」という状態になったものです。昔フケ取りシャンプーの「メリットシャンプー」ってありましたよね。あ、今もあるけどあれは弱酸性のメリット。昔のはジンクピリチオン配合でフケかゆみを抑えます、というシャンプーでした。じつは、このジンクというのは英語で亜鉛のことなのです。亜鉛をシャンプーに配合して頭皮を健康にしてフケを防ぐ、というシャンプーだったのです。
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