2012年9月18日 9月14日、福島県郡山市を訪ねました。 私が「うねめ牛」の存在を知ったのは、今年4月。ブランド化の立役者㈱ビーフふくしま代表取締役の景山勇喜さんにお会いしました。景山さんは、牛肉を扱って28年。郡山周辺で「この人ならば、コンスタントにいい牛を作れる」と見込んだ生産者に声をかけ、「采女牛を育てる会」を設立しました。会員は7名。選りすぐりの生産者が育てた牛の中でも、「肉質等級4以上の雌牛」が条件。本当に限られた牛さんなのです。 「会津牛、相馬牛…福島にはいろんな銘柄牛がいますが、みんな去勢牛。郡山では昔からメスを肥育している人が多いのです。米沢牛も松阪牛も全部雌。理由はよくわかりませんが、雌牛でいい肉を作りたい。そんな方が多いように思います」(景山さん) 生産者の1人、武田晃一さんの牛舎を訪ねました。「郡山で最も高い牛を作る男」と呼ばれているそうです。牛と一緒にコメも栽培。コメは震災の前の年のうちに全部刈り取り自然乾燥。梱包して小屋にしまっていたそうです。原発事故後、心配で飼料、水、ワラを新潟県の研究機関で検査したところ、すべてND。牛さんが放射性物質に汚染されないように、万全を期していたのに、それでも価格の暴落は免れませんでした。 「うちは私で三代目、自分だけじゃない。何十年もかけて築き上げたブランドだから、簡単にやめるわけにはいきません。脂肪の融点が低いので、さらっと食べられて女性にぴったり。一度食べた人は、思い出しただけでよだれが出てくる。そんな肉です」(武田さん) 4月に郡山駅前のホテルで「うねめ牛が食べたい」といっても、出てきませんでした。風評を警戒して、仕入れない傾向にあったのです。9月の今、どうなっているでしょう? もし、郡山を訪れることがあったら、7人の牛飼いさんと景山さんが、頑張って守り続けている「うねめ牛」を、ぜひ味わってください! ●「うねめ牛」が味わえる 郡山の「まめぜん」 (つづく) 三好かやの |