2012年9月13日 WBCでは毎日発表の最後にパネルディスカッションのような参加型のワークショップがありました。驚いたことに4日のうち2日間は「これからの獣医師のありよう」についての話でした。日本でも以前から個体診療も当然大事であるが、これからは本当の意味でプロフェッショナルな管理獣医師が必要であるという話がよく出ていました。先人たちはこのような信念のもとに未知なる獣医師の仕事に果敢に挑戦し、失敗成功、賛否両論、喧々諤々の時代を築いてきました。そして時代は流れ、牧場の形態も少しずつ変化があり、新たなテクノロジーの発展もあり、現在は一歩進んだ新しいステージに突入した感があります。世界も同じです。これからは農場の要求に対して獣医師がどのような情報、サービス、予防プログラムなどを提供してその結果を客観的な数字のデータとして農場にフィードバックすることができるのか?二日間のワークショップのメインタイトルが「これから近い将来に農場が獣医師に対して要求することに対し、我々はどう答えるのか?」というものと「ビジネスとしての獣医師のありよう:何を、どのように、いつ、なぜ?」というものでした。そして将来はいわゆる獣医師の仕事の「ハード ヘルス マネージメント」の割合が98%ぐらいになるであろうとの予測も出していました。まあ、あくまでもこれは予測でありますが。 ただ、ひとついえることはこれから病気の牛さんを治すというあたりまえの重要な業務のほかに様々な形での獣医師のありようが必要になってくるという思いを世界の獣医さんは結構認識しているということです。時代の流れをしみじみ感じてしまいます。 (続く) 前の記事 第293話: リスボン放浪記 その13 | 次の記事 第295話: リスボン放浪記 その15 |