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松本大策のコラム
(番外編)夏の疲れ

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2012年9月10日

 ようやく秋の気配が感じられるようになってきた地域も多いと思います。

 みなさんは、夏の疲れが出てきていませんか?僕は、今年の夏は公私ともにいろいろあって、体調を崩してしまいました。

 これから、稲刈り、ワラ集めなど、とても忙しい時期になります。今のうちに疲れをとって体力を蓄えておきましょうね。

 ところで、ワラ集めの時期は、忙しくて牛さんの観察も通常通り行うことが出来ないことも多くなりますし、牛さんだって夏の疲れが出てくるので、例年最も死亡、廃用などの事故が増える時期でもあります。

 飼料代、電気代、燃料油などのコストが上昇している事を考えると、事故による損失コストは必死で防がなければなりません。

 夏の疲れをとるには、まず消化器を整えること、次に疲労物質を分解してくれる「肝臓」を強化してあげることです。

 生き物は消化器からエネルギーを吸収するので、ここが調子を崩していると、疲労回復には大きな損失になります。夏のストレスでビタミンAが消耗して、第一胃や腸の粘膜の機能が低下したりすると、ルーメンアシドーシスや栄養の吸収が低下してしまうので、必要なビタミンAは補ってあげましょう。それから、給餌時間をぶらさず一定に保つということも、第一胃内のph(酸性、アルカリ性の程度)や消化管内微生物の安定のためには重要です
 生菌剤の給与量を増やしたり、酵母製剤やソフトシリカ、ゼオライトなどの毒素吸着剤を与えてあげるのもよいことです。
(続く)

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