2012年8月23日 小生がとにかく興味をもったものにフランスのTimsit.Eさんが発表した「Visually undetected fever spisodes in newly-received beef bulls at fattening operations : Occurrence, duration and impact on performance」というものがあります。おっと、英語じゃね~か!と思うかもしれませんが、無視してください。簡単に内容を説明すると、導入した肥育素牛に温度を測るセンサーを飲み込ませます。そして朝晩の二回毎日目視で牛さんの状態を確認し、熱が出ていると判断したものには治療を行います。40日間たったところでセンサーの情報を取り出し、実際に目視で病牛を発見して治療したものとセンサーで熱発が確認されたものの比較を行います。今回の実験では112頭の肥育牛が使われているのですが、40日間でセンサーが熱発を感知した回数は449回。そして驚いたことに熱発を感知したなかで74%は目視で確認できなかったという結果でした。まあ、449回の熱発兆候のうち75%は47時間以内に元に戻っているのでそこまで悪い状態にはなっていないと思うのですが、熱発している牛さんを見つけるのは思った以上に難しいことがわかりました。他にもいろいろ面白い話が続くのですが、小生の琴線に一番触れたのはこのセンサーの存在です。うまく改良して肥育牛に飲ませればリアルタイムで牛さんの熱の状態を把握できるかもしれない。さらに改良してルーメンペーハーなども計測できればアシドーシスのモニターなどもできるかもしれないなどなど想像が膨らみ、今後の技術革新に期待してしまいました。ルーメンにセンサーを飲ませておくことで牛群疾病の早期発見や素早い対応を可能にする。もうすでにそのような技術の開発が進んでいるのかもしれませんが、イノベーションを感じた発表でした。 (続く) 前の記事 第290話: リスボン放浪記 その10 | 次の記事 第292話: リスボン放浪記 その12 |