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松本大策のコラム
(番外編)トウモロコシが大変です!

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2012年8月20日

 みなさん、ニュースなどですでにご存知の事と思いますが、アメリカの干ばつでトウモロコシの収穫量が激減しています。

 間近のニュースでも、アメリカ農務省が過去3ヶ月間で、トウモロコシの収穫予想を40億ブッシェル(収穫量の27%)以上も下方修正した、ということでした(ロイター発)。

 昔は、飼料価格を抑えるためにトウモロコシの割合を増やしていた時代もあったのですが、今では信じられません。

 とにかく、飼料価格がかなり高騰する恐れがあります。今から出来ることを考えておかなければなりません。なにしろ、過去飼料価格が急騰したとき以上の収穫減なのです。

 飼養頭数を減らすのか、飼育期間を見直すのか、事故率を減らすのか、消化率を改善するのか。
 経営判断で、いろいろな対策を考えなくてはならないと思いますが、まずは、事故率軽減のために、解っている原因は潰していきましょう。特にビタミン欠乏で死亡や廃用が出ているようならば、添加率を改めた方がよいと思います。今は攻めの経営ではなく、守りの経営をしなければならない時だと思うからです。
 また、飼料価格のような値上がりはないと考えられる、パイン粕や発酵バガスのような第一胃の状態を安定させる安定した粗飼料、アースジェネターやビオスリー等の生菌剤、トルラミンのような酵母製剤、ゼオライトやソフトシリカのような吸着剤などを有効活用して、少しでも牛さんが食べたものを無駄にしないことも重要だとおもいます。

 それから、肥育牛ではよく問題になるルーメンアシドーシスを防ぐために、飼料の発酵速度を見直す、重曹ペレットなどを添加する、なども有効だと思います。

 本当に大変なときに大変なことが重なりますが、こういう時こそチャンスだと思って精一杯牛さんと力を合わせましょう。

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