2012年8月7日 7)定時・定量のお話 写真の粗飼料の量、どれが適量ですか?(答えは最後で) 一般的に農畜産物のブランド確立には、定時・定量・高品質の生産出荷体制の構築が基本条件になると言われています。そしてその為に何かしらの【管理マニュアル】なるものが必要だ!と皆さん考えがちなのですが、本当にそうなのでしょうか? マニュアルとは、『状況に即してどのように対応するべきかを説明したもの』であり、大規模組織で一貫した行動を取らせるには好都合ですが、これのみに頼ると柔軟性が失われ、想定外の状況には弱くなってしまいます。 例えば牛さんで考えてみましょう。飼料会社や獣医さんから渡される『給与マニュアル』には○ヵ月齢で配合△kg・粗飼料□kg給与、食い止まりが見られたらルーサンペレット●g×▲日間などの数字が書かれていると思います。もちろんこれらの給与マニュアルは、最新の飼料計算ソフトや、過去のデータ、枝肉状況からのフィードバックを基に作られているものもあるので大変参考になるものです。 しかし一番大事なのは、マニュアル作成時に描いたイメージ通りに牛さんが発育しているかの検証、ではないでしょうか?体高、深み・体積、フレームバランス、推定される血中Vit.Aレベル…牛さんを様々な側面から検証することで出てきた数字がたまたまマニュアルとして表れているに過ぎないのかな、と思います。自分の思い描いている牛さん像と違うと感じたら、マニュアルを作ってくれた獣医さんや飼料会社の営業さんにどんどん相談してみましょう! 最初の話に戻りますが、給与管理で大事と言われるのが定時・定量。一番の狙いは安定した発育ではないでしょうか。狙いの出荷月齢で目標とする成績を出すには、ルーメン発酵の安定化が鍵になってきます。そして牛さんが学習・慣れを起こすことで、普段と違う行動(病気)の早期発見に役立ちます。ただしこれは制限給与のお話で粗飼料はそうはいきません。 写真の粗飼料の量ですが、どれも適量と僕は考えています。ただし、 (つづく) ワタル(猫) 前の記事 (毎日とは言わないけど…)現場は宿題ばかり!(6) | 次の記事 (毎日とは言わないけど…)現場は宿題ばかり!(最終回) |