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ここ数日、各地から牛の敗血症の相談が続々と寄せられています。敗血症というのは、ばい菌が体の中に侵入して、血液の中で増えて血液の防御システムを負かしてしまうのです。検査場で見つかる疣状心内膜炎も敗血症を起こします。人間でも破傷風は有名ですが、牛さんでも破傷風にかかりますし、他に有名な物としては法定伝染病の「炭疽」、それから「気腫疽」、「悪性水腫」などが有名です。これらは一般に土壌菌という仲間が原因で、とくに破傷風菌などは、いろんな所にいます。 症状としては、麻痺や痙攣などの神経症状や、発熱、皮下の水腫や気腫、ひどくなると天然孔(口・鼻孔とか肛門など)から出血が見られます。もしも、天然孔から出血して死んでいる場合は、家畜保健衛生所に依頼して病勢鑑定をしてもらう必要があります。心配でこっそり処分しようとする人がいるかもしれませんが、病気が出たのはその人のせいじゃないので、安心して家畜保健衛生所の病勢鑑定と、その後の防疫処置に任せた方がよいです。その場合、その農場は「保護」の対象になりますが、万が一こっそり処分したあとに、その牧場周囲に同じ病気が広がったりしたら、罰則だけでなく他の農場への損害賠償などの問題も起こります。 |