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池田哲平のコラム
尿石症を考える(4)

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2012年7月27日

 1)~5)は排尿時の異常であり尿石症の典型的な症状です。尿路(主に尿道)にある結石によって粘膜が刺激され、おしっこをする時に痛みを伴います。また結石によって尿道が閉塞するとおしっこが出なくなる(尿閉になる)ので、排尿姿勢をしていても排尿が見られません。臨床症状の程度や膀胱の膨満具合(尿路閉塞の度合いや排尿困難度の指標)を総合的に判断して、内科的治療でいくのか、外科的治療でいくのか、もしくは両方組み合わせていくのかを決定します。

 6)陰毛に石が付いている
 尿が陰毛に付着したあと尿が乾燥すると、尿中に溶けている結石の成分が結晶として現れて陰毛に付着します。また、膀胱内にできた結石が尿道から出てきたあと包皮内や陰毛にひっかかって、そのまま陰毛結石として発見される場合もあります。
 前者のような場合、膀胱内や尿道内で結石が出来ている可能性は低く、結石化していたとしても少量かつ小型であることが多いので、まずは内服薬の投与で治療していく場合が多いです。
 後者のような場合、外から見ただけでも大きな結石がジャラジャラとついている場合が多く、包皮周囲は化膿して炎症がひどい場合もあります(化膿性包皮炎)。上記の1)~5)の症状を伴っている場合も多いので、治療は1)~5)と同様に総合的に判断していきます。

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