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池田哲平のコラム
尿石症を考える(3)

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2012年7月20日

 牛さんが尿石症になると実に様々な臨床症状を示します。尿石症に典型的なものから他の病気も考えながら除外診断した末に尿石症と分かるようなものまで、非常に多様です。以下に、これまでにわたしが受けた農家さんからの往診以来の電話や稟告を思い出せる範囲で列挙してみました(一部、前回挙げたものの繰り返しになります)。

 1)おしっこする時に痛がる
 2)尻尾を振って落ち着きがない
 3)尻尾をあげてお腹を蹴る
 4)尻尾をあげるがおしっこが出ない
 5)おしっこの出が細い・ポタポタだ
 6)陰毛に石が付いている

 これらはおしっこする動作に関係する症状なので、尿石症を真っ先に疑います。農家さんも何となく「尿石かな~・・・」と思っている時が多いです。では以下はどうでしょう?

 7)餌を食べない
 8)痩せてきた
 9)毛艶が悪く発育が遅れている
 10)立ったり座ったりを繰り返す
 11)牛が立たない
 12)お腹が腫れている
 13)呼吸が速い

 これらの症状は尿石症に典型的という感じではなく、複数の病気の症状として当てはまります。これらの症状が尿石症とどう関係あるのか?説明するまでもなく分かるものもありますが、過去の症例を例に出しつつ紹介していきたいと思います(つづく)。

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