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松本大策のコラム
「ロールサイレージのチェック」

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2009年3月2日


 ロールサイレージ(ラップサイレージ)の技術が普及してから、自家産の牧草の使い道が広がりました。乾草と違って野積みで管理出来るし、乾草が不十分でもサイレージ化して保存飼料にできるのです。
 しかしラップサイレージを使用する時には、いくつか注意した方がよいことがあります。まず、よいロールサイレージと悪いロールサイレージの外見での見分け方ですが、角が米俵のように潰れたものは、発酵が悪いものが多いです。その原因は牧草の乾燥不足や雨に濡れた草をラップした事や、ラップの巻き数が少ない事が原因です。
 ラップするときは、2重巻きより4重巻き、4重巻きより6重巻きの方が嫌気発酵が良好に進み、良質のサイレージができます。せっかく苦労して作った牧草ですから、最後の最後の巻きのところでチョットだけケチることでダメダメな不良サイレージにしてしまうのは本当にもったいないことです。以前お話ししたように(2007年8月27日分)悪質のサイレージでは栄養価が低いどころか毒素が多くひどい損害を被るのです。
 それから、天候などの都合で乾燥が悪いままラップするケースもありますが、そういう場合はサイレージ用の発酵菌を使ってやると急速に酸性化が進みカビの発生を防ぐことができます。
 あと、毎日の日課にしていただきたいのが、ラップサイレージの見回り。お昼休みと仕事上がりの前の1日2回、ガムテープをもってラップサイレージを見回りするのです。これでカラスや近所の悪ガキが開けた穴を早期に塞いであげるのです。これでかなりカビの発生を抑えられます。
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