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松本大策のコラム
「そろそろ寄生虫が動き始めます」

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2009年3月9日

 今年は3月6日(?)に啓蟄でした。冬眠していた虫が蠢き始めるという二十四節季の一つですね。昔の人はよく観察していたものです。気温の変化なのか、日照時間の変化なのか解りませんが、虫でも春は感じるのでしょうね。
 ところが、もっと驚くことに、動物の体内に潜む「寄生虫」も季節が判るのです。寄生虫を調べる「糞便検査」をすると、冬場はほとんど寄生虫の卵が見つからないのですが、春先になるとドッと卵が増えるのです。これをスプリングライズ(春の目覚め)と呼びます。お腹の中にいる寄生虫が、いったいどうやって季節を感じるのかは判りませんが、「うちの牛には寄生虫なんていないから駆虫は必要ないよ」という方、この春先に一度糞便検査で確かめてみませんか?
 ご自分の牧場の牛さんにいる寄生虫の種類を知っておくと、駆虫などの際にも役に立つと思いますよ。
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