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松本大策のコラム
「食餌性蹄葉炎のおはなし」

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2008年12月8日

 
 みなさんはロボット病とかツッパリ病って聞いたことがありますか?牛さんの蹄の中に炎症が起こって、変なツッパリ歩きをしたり立てなくなったりする病気です。
 もう少し細かく説明すると、蹄と骨の間には「蹄葉」というクッションみたいなものがあります。この部分に炎症が起こり、慢性化するとカルシウムのトゲみたいなものが中に出来てきて、立ったり歩いたりして圧力が加わると痛いのです。
 なぜこのような炎症が起こるかというと、第一胃内の異常発酵で胃内が酸性かアルカリ性に大きく傾いた場合に、第一胃内の悪玉菌が死滅し、その際に毒素を放出します。この毒素の働きや、ルーメンアシドーシスで胃壁から発生するヒスタミンの働きで、蹄葉の末梢血管が炎症を起こすのです。
 なかなか治りにくい病気ですが、「デキサの減量法」というやり方を実施すると、けっこうな改善が見られる場合が多いです。このやり方は、今までに但馬や佐賀、大阪、宮崎などでも実施していただいて効果を上げています。ねっ、道竹先生。
 ただしこのやり方は、危険も伴うので、かならず獣医師の先生にやってもらってください。デキサメサゾンという薬は免疫抑制などの副作用も大きいのです。

デキサ減量法マニュアル
https://drive.google.com/file/d/1JF3LVX0RyqS6BWnsFOK-ZqoKOW3fUFUb/view?usp=sharing

デキサの減量法をやった牛さんの処置前・処置後のビデオ

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