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第285話: リスボン放浪記 その5 |
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2012年7月12日
今回の小生の重要な任務はとにかくリスボンで「肉を食べる」ということでした。というわけでどのくらい肉を食べたかといいますと夜飯に4回と昼飯に5回でした。食は文化であるといいますし、各国様々な状況があります。外国の文化を日本の尺度で考えるととんでもないことになります。このあたりの考察については後々のコラムで紹介してみようと思っています。まあ、あまり深くは考えずに頭の中を空っぽにしてとにかく無心で食べてみました。食べたのはハンバーグ2回、ステーキ2回、肉の煮込み4回、ハンバーガー1回です。本当にごく一部の限られた話ですが、小生の独断と偏見で何回かに分けて紹介いたしますね。
その1 ハンバーグ
見た目は色が薄く、臭いはなし。とにかく切り取って口に運ぶと味がほとんどしない。わずかに塩味がする。歯ごたえは非常に固く、ゴリゴリという歯ごたえ。ハンバーグでゴリゴリ、グニグニという状況に新鮮な驚きを感じてしまい、思わず唸る。ひき肉なのにどうしたらこんなに固くなるのだろうと不思議な気持ちになる。日本のジューシーな感覚で口に運ぶと思いっきりカウンターパンチを食らう歯ごたえと味。
その2 ハンバーガー
リスボンについて最初に駅の喫茶店で食べる。臭いはなく、見るからに干からびたような肉が入っている。なんとなく嫌な予感がしたがとにかく思いっきりかぶりつく。最初に感じたことは「ひゃ~!冷たい」。そして予想通り固くて味がしないという流れ。ハンバーガーは暖かいものという固定観念が見事に吹っ飛び黙り込む。パンの柔らかさと肉の固さのギャップが非常に激しくなかなか噛みきれずに食べるのが難しい。パンの間から肉だけ口で引っ張り出してしまう。とにかくケチャップやソースなどの味付けはなく肉そのものの味で勝負。じっくりと噛んでみたがなかなか分かりにくい味。
その3 ステーキ
夜飯にステーキハウスに突入。結構な人気店でお客さんが多い。「ヘレフォード・マーブリング・アイビーフ」という商品を注文。約2500円なり。マーブリングなどと書いてあるのでちょっと期待。見た目はいかにもステーキという感じ。目を凝らして肉の表面を観察し、霜降りの状況をチェック。しかし、サシの気配はゼロ。ほんとにマーブリングしているのか?と思うが気を取り直してナイフとフォークでギコギコ切り取り口に運ぶと・・・・やはり固くて味があまりしない。こちらのお肉はこういうものなのだと納得。和牛の味というのは本当に特別なんだな~としみじみ思う。しかし、肉があったかかったのでよかった。やはり肉は温かい方がいいなと思う。別の店では約1500円のステーキを食べる。ソースがあり、つけて食べるとおいしい。最終的には二軒のお店でステーキを食べたが、どちらもビールがおいしかったので肉の味などどうでもよくなる。うん、酔っ払えばなんでもいいのだ。

(続く)
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