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松本大策のコラム
「免疫のお話(4)」

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2008年10月20日

 免疫のお話しが続きますが、今回は少しワクチンについてお話ししましょう。ワクチンというのは、ウイルスやバイ菌を殺したり、弱らせたりしたものを注射して、動物に「そのウイルスやバイ菌だけに有効な免疫(抗体)」を作らせるものです。
 ですから、たとえばヘモフィルス(ヒストフィルス ソムニ)のワクチンを打ってもマンヘミアというバイ菌には効果がありませんし、ストックガード5や肺炎5種混ワクチンを打っても、これらのワクチンはウイルス専用ですから、ヘモやクロストリジウムなどのバイ菌には効果がないのです。
 さて、最初に「ウイルスやバイ菌を殺したり、弱らせたりしたものを注射して..」というお話しをしましたが、これらの病原体を弱らせたものを使ったワクチンを「生ワクチン」とか「弱毒生ワクチン」と呼びます。それに対して、病原体を殺したものを使ったワクチンを「不活化ワクチン」と言います。「生ワクチン」は病原体が生きているので、身体の中で長く免疫を作る効果がありますから、通常1回注射すればよいのですが、「不活化ワクチン」の場合は、病原体が死んでいるので、身体の中で長く効果を発揮出来ません。それで3週間くらいの間隔を空けて2回接種するのです。
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