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橋本匠護のコラム
牛の療養食 肺炎編②

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2026年6月5日

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前回のコラムでは、肺炎の発生や治りづらい要因として、エネルギー(カロリー)やビタミンの不足が関与していることを紹介しました。

そのため、こうした栄養素の不足が疑われる肺炎の牛では、不足分をエサで補うことが回復の後押しになることがあります。ちなみに、栄養不足による免疫低下が関与するのは肺炎だけではありません。中耳炎などの慢性化しやすい病気でも、同じような考え方が当てはまることがあります。

では実際に、エネルギーやビタミンを補うためにはどのような管理が有効なのでしょうか。

現場で行う対策例
まずエネルギー不足が疑われる場合には、エネルギー補給を行うことで治癒をサポートできるケースがあります。

エネルギー補給する方法として子牛では、哺乳量や哺乳回数の増加、哺乳期間延長などを提案することがあります。また、中鎖脂肪酸(ネオドリンクなど)や生卵のミルクへの添加、脂肪酸カルシウム(サンニードなど)の給与をお願いすることもあります。

母子同居管理の場合には、母牛のエサの給与量を増やすことで、子牛の哺乳量の増加を図るケースもあります。

また成牛では濃厚飼料の増飼や、トウモロコシ単体や穀類を多く含む肥育飼料の添加を検討します。また脂肪酸カルシウムやセルロース系飼料(元気森森など)などの利用も有効です。

ビタミン不足が疑われる場合には、可能な限りビタミンの補給を行います。注射で補給することもありますが、現場ではビタミンを含む添加剤(ドン八ヶ岳など)を数日間添加してもらうこともあります。

注意点:「食べているのにエネルギー不足」なケースも
注意点としては、単純にエネルギー源を追加すれば良いとは限らないということです。

例えば、粗飼料不足によるルーメンアシドーシスや、タンパク質過剰のようにエサのバランスが崩れている場合です。バランスが崩れていると、エネルギーを十分に給与していても利用効率が低下し、結果的に“エネルギー不足状態”になっていることがあります。

そのため、こういったケースでは単純にエネルギーを足すだけでなく、便の状態などを見ながらエサ全体のバランスを見直すことが重要になります。

肺炎というと、「どの抗生剤を使うか?」に目が向きやすいですが、実際には“牛自身が治る力”をどう支えるかも非常に重要です。薬だけでなく、エサの視点から状態を見直してみる。それも、慢性化しやすい呼吸器病では大切なポイントだと思っています。

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