2026年5月26日 *********************************************************** おそらく現場に携わっている方の多くが、ここ10年くらいで気候の変化を強く感じているのではないでしょうか。実際、小生も往診や巡回をしていて、以前とは“暑さの質”が変わってきているように感じています。昔は「真夏だけ暑い」という印象でした。しかし最近は、「春から暑く、秋まで暑い」。そんな感覚です。 そんなことを何となく思っていたら、先日弊社にこられたメーカーの方からシェパードがある鹿児島県阿久根市の気温のデータをいただきました。非常に見やすいので少し見ただけで明らかに阿久根市が暑くなってきている事がわかり、逆に小生はちょっと冷えました。 そこで今回は、鹿児島県阿久根市の2000年~2025年までの気温データを整理してみました。対象としたのは、 25℃以上(夏日)、 30℃以上(真夏日)、 35℃以上(猛暑日)の日数です。 データを見て最初に驚いたのは、“夏の長期化”です。 さらに興味深いのは、6月の暑さです。2025年の真夏日(30℃以上)を見ると、6月だけで9日発生しています。2000年代前半では、6月に30℃以上がほとんど無い年も多かったことを考えると、かなり大きな変化です。現在は、「夏が来るのが早い」のではなく、「春と秋が短くなっている」とも言えるのかもしれません。 そして、畜産現場にとって重要なのは、気温の変化そのものではなく、“牛さんへの負担が増えている”という点です。牛さんは高温に弱い動物です。暑熱ストレスの影響を非常に受けやすく、採食量低下、受胎率低下、免疫低下など様々な問題が発生します。 この影響は、実はかなり広範囲に及びます。例えば繁殖。夏場の受胎率低下は以前から知られています。しかし最近は、秋になっても受胎率がなかなか戻らないケースがあります。これは単純に「技術の問題」ではなく、暑熱ストレスの長期化が背景にある可能性があります。 特に阿久根のような海沿い地域は、単純な気温以上に“湿度”の影響が大きい地域です。昼間の最高気温は内陸部より低くても、湿度が高く、夜の気温が下がりにくい。これが非常につらい環境になります。人様でも、夜が涼しいと体がかなり楽になります。しかし牛さんは夜間に熱を放散し、体を回復させています。つまり、夜間温度が高い状態が続くと、暑熱疲労が蓄積し続けるのです。 今回の阿久根のデータを見ていると、単なる「暑い年が増えた」というより、気候帯そのものが少しずつ変わってきているような印象を受けます。そして重要なのは、この変化は一時的ではなく、“今後も続く可能性が高い”という点です。今ちらっとネットニュースを見ると「スーパー・エルニーニョ」などという言葉も出ていました。どうなることやら。とにかく暑熱対策は今年も必須ですね。 |
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