(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
蓮沼浩のコラム
第876話:静かに始まる供給停止・・・

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2026年5月19日

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小生、最近診療現場でじわじわと異変を感じています。確実に何かが次第におかしくなってきているけど、普段通り日常は続いているという状態とでもいいましょうか・・・。人様は何となく社会がおかしいと感じても、それをなかなか認めようとはしないですし、自分に嘘をついたりすることもあります。別にこれは非難されるべきことではありませんし、徐々に起きている変化の中で未来を想像することはかなり困難なことだと思います。

シェパードでも、ついに一部のシリンジが「注文不可」となり始めました。以前であれば普通に届いていたものが、「納期未定」や「入荷調整中」という表示になっています。ゴム手袋も種類によっては入手が難しくなり、消毒用のエタノールやイソプロパノールも品薄状態が目立つようになってきました。
ただ、最初に申し上げておきたいのは、小生は決して危機感をあおりたいわけではありません。「すぐに物がなくなる」といった極端な話をしたいわけでもありません。現場で実際に起きている変化を、あくまで冷静に見ていく必要があると感じているだけです。むしろ、こういう時代だからこそ、感情的にならず、現実を客観的に把握することが非常に重要だと思っています。

現在、中東情勢の悪化によって、原油・LNG・石油化学製品の供給不安が続いています。実は、シリンジ、ゴム手袋、消毒薬、プラスチック容器、薬瓶、チューブ類など、日常的に使っている医療資材の多くは石油化学製品からできています。つまり、原油価格や輸送網の混乱は、そのまま診療現場に直結してきます。しかも問題は「価格上昇」だけではありません。今後本当に注意しなければならないのは、「お金を払っても物が来ない」という状況です。これは日本人が長年経験してこなかった世界です。日本は非常に物流が優秀で、欲しいものはいつでも届く社会でした。しかし、その前提が少しずつ揺らぎ始めているように感じます。

実際、すでに様々な現場で供給停止が始まっています。工事の遅延、機械修理の長期化、農業資材の不足などが同時多発的に起き、社会全体の効率を徐々に低下させているように思います。畜産現場でも今後影響が大きくなってくることが予想されます。

・ゴム手袋不足 → 衛生レベル低下
・消毒薬不足 → 感染症リスク上昇
・輸送燃料高騰 → 飼料価格上昇
というように、ひとつの問題が次の問題を引き起こします。

重要なのは、「小さな異常を軽視しないこと」だと思います。最初は「少し届くのが遅いな」程度だったものが、数カ月後にはより大きな問題へ発展することもあります。一方で、逆に世界情勢が落ち着けば、供給が改善していく可能性も当然あります。つまり、今の段階では「過剰に恐れる」のでもなく、「何も起きていない」と無視するのでもなく、その中間で冷静に状況を見ることが大切なのだと思います。では、これからどうすべきなのでしょうか。

在庫を少し多めに持つ。
代替品を考えておく。
使い捨て前提を見直す。
国産化できるものを増やす。
そして何より、「今まで通りが永遠に続く」と思い込まないこと。

これは不安を広げるためではなく、変化への適応力を高めるための考え方です。現場は常に変化します。だからこそ、早めに小さな違和感に気づき、備えていく。その積み重ねが、これからの時代には非常に大切になってくるのではないかと思っています。

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