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第859話:見えないものをみる |
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2026年1月13日
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尿でわかる!マイコトキシン検査はじめました
尿中カビ毒検査とは(チラシ) / ご依頼の手順など
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年が明け、世界情勢がなんだかとんでもないことになってきています。混乱がエスカレートし、連鎖しています。日本国内にも大きな影響が出てきそうです。正直、参ったな・・・という感じです。
現場を回っていると、ふと感じることがあります。
帳簿には載っていませんが、確実に経営を蝕んでいるものがある、という感覚です。それは「見えないコスト」です。
例えば、
・毎月のように起こる軽度の下痢
・治療はしているが完全には治りきらない肺炎
・原因がはっきりしない発育の遅れ
・繁殖成績が「悪くはないが、良くもない」状態の慢性化
これらは一つ一つを見ると致命的ではありません。しかし積み重なると、確実に農場の体力を奪っていきます。
多くの場合、こうした問題は
「仕方ない」
「こんなもの」
として処理されがちです。
しかし、本当に差がつくのは、この“仕方ない”を放置しない農場ではないかと小生は強く感じております。
見えないコストの正体は、
・管理のムラ
・判断の先送り
・データを取らないこと
・原因を一段深く掘らないこと
こうした小さな積み重ねです。
逆に言えば、
・死亡率を数字で把握する
・下痢や肺炎を「イベント」ではなく「構造」で捉える
・BCSや発育を感覚ではなく指標で見る
・飼料、敷料、水、環境をセットで考える
こうした地味な取り組みを淡々と続けている農場は、派手さはなくとも、確実にブレなくなっていきます。短期的には労力やコストが増えたように見えることもあります。検査をする、記録を取る、管理を変えるなどなど。しかし中長期で見ると、事故率の低下、治療回数の減少、作業負担の軽減などとして大きなメリットがでてきます。
経営が厳しい時代ほど、「目に見えること」だけに目が行きがちです。
しかし、本当に経営を分けるのは、まだ数字になっていない部分に目を向けられるかどうか。
そこだと思います。見えないコストに気づける農場は、同時に「伸びしろ」にも気づける農場です。静かに、しかし確実に。その差は、数年後に必ず表に出てきます。
非常に成績の良い牧場のお話を色々とお聞きしたのですが、やはりコツコツと多くの事に地道に取り組んでいます。この取り組みが、恐ろしいほどの差を生み出していると確信しております。偉そうなことを言っていますが、実は小生もできていないことは山ほどあるので、今年も粛々とできることをやっていきたいと思った次第であります。
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今週の動画
気づきにくい口の中の変化。まいったなあ~~。
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