すみません、骨軟症のお話の途中ですが、今日鳥取の高橋さんから、緊急出荷の報告が入ったので、緊急にその原因と対策を書かせて下さい。 そろそろ夏の疲れがでる頃です。えーっ今ごろ?と思われるかも知れませんが、夏の暑さなどによる各臓器の疲労でいろいろなトラブルが出てくるのはこの時期(10月前後)なのです。 肝臓が弱っていると、第一胃で発生したエンドトキシン(第一胃内の悪玉菌の出す毒素)の解毒力が低下しますし、老廃物であるアンモニアの処理も低下します。また、心臓や腎臓も弱っていることが多く、腎臓への血流量が低下するため、各種毒素(アンモニアや尿素、分解されたエンドトキシンなど)の排泄も悪くなるのです。 いろいろな症状が出ますが、多く見られるのは免疫の低下による肺炎・腸炎の多発と、後期の肥育牛の代謝病です。
とくに出荷前に足が腫れて口から泡を吹く、呼吸が速い、という牛さんは夏の疲れがでる10月頃にでやすいです。台風通過後なども増加します。これも台風のストレスで第一胃発酵が乱れ、エンドトキシン(悪玉菌の出す毒素)の産生が増加するため、と考えられています。エンドトキシンは炎症誘発作用を持ち、いろんな部位に障害を起こすのですが、ズル(筋肉水腫)や肝炎などの原因となることでも有名です。心臓が弱ると肺への血流が悪くなって肺に水腫を起こしますし、横隔膜の筋肉に水腫が起こって呼吸が上手くできない場合もあります。これらの原因で呼吸が速くなっているのです。 |