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分娩前の栄養状態を意識した昼間分娩誘起② |
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2025年12月12日
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前回のコラムの続きになります。
見直し②:粗飼料の品質
夕方一回給餌でエサの量が減る可能性があるなら、品質を上げようという考えです。そもそも「分娩前後は母牛にとって嗜好性の高い良質な粗飼料を!」が重要だとは思うのですが、昼間分娩誘起を実施する場合は更に重要性が上がります。
自給牧草をやられているのであれば、粗飼料中の粗タンパク質などを測って品質を評価しても良いかもしれません。もし不足するようであれば、土壌改善、粗飼料の変更、他の粗飼料の追加給与などの検討をおすすめします。
見直し③:妊娠維持期の栄養状態
妊娠維持期に過肥になっている場合、分娩前後の採食量があがりにくいことがあります。つまり給餌しても牛が食べきれない・・という状況です。こういった場合は、妊娠維持期の濃厚飼料の給与量などの見直しを検討しましょう。ただし痩せ過ぎはNGですので、獣医師や飼料メーカーさんと相談のうえ慎重に行う必要があります。

見直し後は・・:現状の確認
見直し後は、やはり現状の確認が重要です。管理を変えたことによる分娩時刻の変化を確認しましょう。もし分娩前の栄養状態を改善しながら昼間分娩誘起ができていれば大成功です。逆に夜間分娩が急激に増えた場合は、再度管理方法を修正します。
分娩前の栄養状態改善による繁殖成績や子牛の疾病発生率なども、可能であれば数値でチェックしたいです。また分娩前の栄養状態の変化により妊娠日数が変わることもありますので、そちらもぜひご確認ください。
一連のコラムでは、分娩前の栄養状態と昼間分娩を両立させるためのポイントについて紹介してきました。しかし農場さんや牛によっては、両立が難しいケースというのもあると思います。そういった場合は、子牛の免疫や分娩後の繁殖を考慮し、栄養状態を第一に飽食のような管理に切り替えるのも一つの手かもしれません。
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今週の動画
「しぶり」という症状について
下痢症の子牛で、「しぶり」という症状がみられることがあります。
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