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橋本匠護のコラム
分娩前の栄養状態を意識した昼間分娩誘起①

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2025年12月5日

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国内において昼間分娩誘起法は、分娩前の一定期間に夕方(夜間)1回給餌の方法で実施されることが多いです。そこで前回のコラムでは、昼間分娩誘起法を導入されている農場さんで、乾物摂取量が低下してしまうケースがあることをお話しました。

分娩前の母牛は乾物摂取量だけでなく、タンパクもエネルギーも必要量が増加します。これらが不足すると生まれてくる子牛の免疫や分娩後の発情、初回授精などに影響するため、とても重要です。

ではこれらを可能な限り維持しながら、昼間分娩誘起を実施するにはどうしたら良いのでしょうか。様々な方法があると思いますが、今回は昼間分娩誘起の見直しポイントをいくつかご紹介します。

見直しの前に・・:現状の分娩時刻の確認
まず確認していただきたいことです。昼間分娩誘起の「昼間」の定義は様々ですが、6時から21時までに80%程度の分娩が集中していることが一つの目安になると思います。

もし昼間分娩誘起を実施しているにも関わらず、この割合が低いようであれば何か改善点があるかもしれません。

追加で現状の初回授精日数、受胎率などの繁殖成績、子牛の疾病発生状況なども確認できればベストです。

見直し①:夕方一回給餌開始タイミング
一般的に昼間分娩誘起をするための制限給餌は、分娩予定日の2週から1ヵ月前から実施されるケースが多いと思います。昼間分娩誘起という点では、分娩時刻が日中に集中していれば、制限給餌開始タイミングは自由だと思います。

一方で「もう少し制限給餌のタイミング遅らせてもいいかも・・・」というケースに遭遇することがあります。特に分娩予定日から遅れる傾向にある農場さんの場合は、制限給餌の期間を短縮しても昼間分娩誘起率は変わらず、分娩前の栄養状態を改善できることがあります。

長くなりそうなので、次回につづきます。
 
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