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橋本匠護のコラム
寒冷期の繁殖母牛にはエネルギーを

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2025年11月7日

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鹿児島では平均気温が10℃台となり、寒さを感じるようになってきました。往診先の農家さんでは、子牛の敷料の増量、ヒーターの準備などが行われています。徐々に冬仕様の管理に切り替わりつつあります。

繁殖母牛についても、平均気温が10℃前後になり始めたら冬仕様の管理をおすすめすることがあります。その中の一つが、エサのエネルギーの強化です。

牛は至適温度(快適な気温)を下回ると、体温維持のためより多くのエネルギーを必要とします。母牛にとってエネルギー不足は分娩後の子宮の回復の遅れ、発情の不明瞭化の原因となることもあります。

特に分娩前後(特に後)は、泌乳などにもエネルギーを必要とするため、より重要性は高まります。

そのため農家さんによっては、寒冷期で特に分娩前後の母牛には増飼や脂肪酸(サンニードなど)の添加によるエネルギー強化を提案しています。

実際に過去の調査では、寒冷期に分娩前後の母牛のエネルギー(TDN)充足率を高めた結果、子宮の回復の改善、分娩後初回授精の受胎率向上などが確認されています。

もちろんエネルギー過剰による過肥はNGです。そのため牛の体型(ボディコンディションスコア:BCS)、牛舎環境を確認しながら、獣医師や飼料メーカーさんと相談されたうえで実施するのがベストです。


↑BCSの確認は重要です。
 
 
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今週の動画
よく効きます😄

今回は診療でひどい疥癬症の牛さんがいたので硫黄製剤を塗布して変化を観察してみました。

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