(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
橋本匠護のコラム
穴のあいたイネWCS

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2025年11月14日

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最近は、各地の農場さんで今年収穫されたイネWCSが保管されています。少し近づいてみると・・・・。

穴があいています・・。農家さんに聞くと、周辺にカラスが多く、つついてラップに穴をあけてしまうそうです。

ラップに穴があいてしまうと密閉していたラップ内に空気が入り込み、好気性発酵が進んでしまいます。好気性発酵する代表としてはカビがあります。つまり穴があいたラップ内ではカビが繁殖しやすく、イネWCSがカビやカビ毒に汚染されやすい、ということです。

そのため発見された場合はテープなどで早めに塞ぎ、密閉状態を保ってあげる必要があります。またカラスの被害が広がる前に、テグスやネットなどで物理的に対策をすることをオススメします。カラス対策については、過去のコラムでも紹介しています。

また好気性発酵しやすいサイレージの特徴として、ラップの巻数が少ないことも挙げられます。これは気密性や粗飼料によりあく穴の発生率が影響していると考えられます。実際にラップの巻数の少ないイネWCSでは、カビによる廃棄率が高くなることが報告されています。

ぜひカラス、ラップの巻数に注目して、良好な嫌気性発酵を維持していただければと思います。
 
 
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