骨軟症というと関節の変形が頭に浮かぶ方が多いと思いますが、どちらかというと関節の変形は少なく、ただ痛みが出るので歩き方がおかしくなるタイプが多いです。関節の病変は前膝(手根関節)に出る例が多く、他にも球節や後足の飛節に出ることもあります。見慣れないとなかなか正常なものと見分けにくいのですが、前膝は、正常な牛さんはまっすぐに伸ばせるのに、骨軟症の初期の牛さんでは、ほんの少しだけまっすぐに伸ばせなくなってきます。また、飛節に症状が出た牛さんの場合、飛節と飛節が寄ってくるというか、後ろ足がX脚っぽく見えるようになります。 また胃腸の動きが悪くなるので、食欲が低下してお腹が小さくなってきたり増体が低下する牛さんも多いです。 他にちょっと意外な気がしますが、尿の量が増えてる場合が多いです。「この部屋はションベンが多くて、すぐに敷き料がぬかるんでジュクジュクになる。」なんてマスには骨軟症の牛さんがいることが多いですよ。 これはカルシウムの代謝が悪いために、骨からのカルシウム動員が増えて、その際に一緒に溶け出すタンパク質の老廃物として発生するアンモニアの排泄のために尿が増えることと、アルドステロンというホルモンが関係しているということが言われています。牛さんの中身をのぞいたわけじゃないので本当のところは解りませんけどね(笑)。とにかく尿の量が多い部屋があれば注意してみていてください。ただし、気高系の大型の牛さんの場合は小型の但馬よりもずっと尿は多いので、この場合はあまり心配ないことも多いです。 |