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橋本匠護のコラム
胸囲充足率を計算できるアプリを作りました

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2025年10月24日

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この度、子牛の発育を評価できる「胸囲充足率」を簡単に計算できるアプリを作成しました。無料ですので、ご興味のあるかたは下のURL、もしくはQRコードからウェブアプリを開き、ご使用ください。

https://kyoizyusokuristu.netlify.app/

スマホでもパソコンでも使用可能で、スマホの場合はホーム画面に追加して使うと便利です。

今回のコラムでは、まず「胸囲充足率」という評価方法について簡単に紹介したいと思います。胸囲充足率は鹿児島共済の叶先生が提唱されている、牛の発育の指標になります。

発育の指標といえば、1日平均増体量(Daily Gain:DG)や体重、体高などを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。発育の良い牛は市場での評価が高く、抗病性も高い(病気に強い)傾向にあります。

同じく発育の指標となる胸囲充足率は、以下の計算式で求めることができます。

胸囲充足率 %=(測定した胸囲 cm ÷ 標準胸囲 cm )×100

つまり標準胸囲に対して、どの程度の胸囲があるかを計算することで発育を評価します。胸囲充足率が高ければ、発育が良いと判断します。胸囲と日齢(生年月日)、性別が分かれば計算することができるため、メジャーがあれば今すぐにでも確認できます。

普段、何となく評価していた発育を数値化してモニタリングするということは、非常に大きなメリットがあります。

例えば日齢ごとに胸囲充足率を確認し、特定の時期で充足率が下がっていれば、その時期に何か原因があるかもしれません。また飼養管理(哺乳プログラム、添加剤など)の変更前後で胸囲充足率を確認することで、その変更の発育への影響を調べることができます。確実に発育に良い対策を選択できるというわけです。他にも、とにかくメリットは盛りだくさんです。

長文になってしまいましたが、胸囲充足率は非常に有用な指標です。そんな胸囲充足率を「簡単に現場で計算できるように!」という思いで作ったのが、今回のウェブアプリ「胸囲充足率を計算するあぷり」です。詳しい使い方などは次回のコラムで紹介しますが、ぜひ一度URL、QRコードからご覧いただければと思います。
 
 
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新しい本が出ます!
今回の本は、農家さんが獣医さんと連携しながら、自分で治療できるように、病気の解説と治療の仕方、お薬の話、などを分かりやすくまとめたつもりです。

皮下注射や静脈注射、気管内注射などの仕方も解説しています。わかりやすいようにQRコードを付けてあるので、スマホをかざせば動画も見られますよ。

10月末発売。
お求めは日本畜産振興会(03-3379-3741)
もしくはシェパードまでお問い合わせください。
 
 
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今週の動画
牛の早期胎盤剥離【分娩】

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