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総コレステロール=免疫 |
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2025年10月15日
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子牛の血液検査で必ず確認する値がいくつかあるのですが、その中の一つが「総コレステロール値」です。
「総コレステロール値」は血中にある脂質のことで、細胞膜の構成成分であったり、ホルモンや消化液のもとになったりします。
牛においては、飼料の摂取量や肝機能の指標としても利用されます。
そして、この総コレステロール値が、子牛の免疫状態とも強く関わっていることが研究で明らかになりました。
血液中の総コレステロール値は、免疫の中心的な役割を担う総成熟T細胞数と正の相関があるとのです。
つまり、総コレステロール値が高い子牛は免疫力も高い状態にあり、逆に低い子牛はT細胞の機能が十分でなく、病原体に対する抵抗力が弱まっている可能性が高いのです。
総コレステロール値は、子牛が適切な栄養を摂取し、それを効率よく代謝していることを示す栄養状態の指標でもあります。
代用乳をしっかりと飲んで吸収できている子牛ほど、総コレステロール値が高くなり、それに伴いT細胞数も高くなることが確認されています。
私は子牛の血液検査結果をみる時、総コレステロール値は100 mg/dlを下回っていると要注意、80 mg/dlを下回ると何らかの処置が必要と基準を設定しています。
血液検査結果から低コレステロール値と診断された子は、免疫力が低い状態であると考え、まずは免疫力の回復を最優先し、離乳や群編成といった大きなストレス要因は一旦避けましょう。
そして、代用乳給与量の見直しや不飽和脂肪酸の追加給与により、総コレステロール値を上げて免疫力の高い状態をつくりなおすことが重要です。
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