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加地永理奈のコラム
子牛の下痢対策にバナナ

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2025年10月8日

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中秋の名月は、皆さんの地域ではご覧になれましたか?
栃木支所のあたりでは、曇ったり雨が降ったりしましたが、だんだん雲がなくなり綺麗なお月様を見ることができました。

さて前回コラムでは、ミルクの消化不良が原因の下痢についてお話しました。

ミルクの消化不良の対策としてミルクの給与量を減らすことになった場合に、ぜひ試してみていただきたいのがバナナの給与です。

早産や低体重で生まれた子牛は、消化機能が未熟なだけでなく、免疫力が弱いことも下痢を長引かせる要因になります。
そこでバナナの追加給与が、子牛にとって良い働きをしてくれるのです。

まず、バナナには食物繊維とオリゴ糖が豊富に含まれており、腸内の善玉菌のエサとなって腸内環境を整える助けになります。
さらには、バナナを1日1本5日間程あげるだけでも、細胞免疫を活性化するTリンパ球が増えることがわかっています。

子牛に与えるバナナでおすすめなのは、皮に茶色い斑点(シュガースポット)がたくさん出ているものです。
これはバナナのデンプンが消化性の良い糖分に変わった証拠です。

バナナは、3ヶ月齢以下の子牛の下痢対策や体力回復の補助として追加給与してください。
給与量は、50kgの子牛で中くらいのバナナを1日1本が目安です。

子牛にとってメリットが大きいバナナですが、3ヶ月齢以上で第一胃が発達してきた牛には控えましょう。
バナナのような高糖質の食べ物を一度に大量に与えてしまうと、微生物が急激に活動しすぎて第一胃内の環境が急激に酸性に傾き、ルーメンアシドーシスという深刻な病気を引き起こす危険性があります。

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今週の動画
夏の終わりに☀️要注意!

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