(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
松本大策のコラム
遠隔診療に備える その1

コラム一覧に戻る

2025年9月29日

***********************************************************
尿でわかる!マイコトキシン検査のご案内
詳細は こちら をご覧ください。
***********************************************************
 
 
 「牛乳を作る酪農家さんが減っています」とかわいい女性が訴えるCMが流れているのですが、じつは「牛さんを診る獣医さんも減っています」というのが現状です。
 県によっては、無獣医村も珍しくなくなってきていますし(特に離島などは深刻です)、獣医師不足に加えて働き方改革により、夜間や土日の診療を受けることができない地域も増えてきました。

 農林水産省も、「獣医師の指示の下に、自分の飼育する動物を治療すること」は、農林水産省も推進しています。ただ、なかなか法文化されるには時間がかかるとは思うのですが、この件については、農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課課長補佐(2022年時点)の白尾紘司氏も日獣会誌75 508-521(2022)で、畜産の産業構造および獣医師減少の状況から「獣医師からここの農家への指導を手厚く行いつつ、農家さんに任せられる対処は農家さんに任せる、という方向性が、産業動物獣医療のタスクシフトであり、即時性やコスト面からも効果的であると考える」と明言していらっしゃいます。

 遠隔診療の仕組みが確立すれば、自分の区域外であっても(例えば、うちは鹿児島や栃木から北海道や沖縄の離島まで遠隔診療をお受けしています)、獣医さんとつながることができますから、適切な診断や治療の指示、薬剤の指示書なども受けるとこができます。

 じつは今、シェパードと日大の堀北教授や北海道の池田先生(BRAST)、沖縄の中村善先生、栃木の寺内先生などと組んで、24時間一つの電話番号にかければ、必ずどの獣医師かに繋がり、遠隔診療を受けられる、という仕組みを業者さんと作り上げようと頑張っています。
 そのためには、システム設計や獣医師の準備だけでなく、農家さんも準備(難しいことじゃありませんよ)することなども出てきますから、来週からこれについて書いていこうと考えています。
 
 
***********************************************************
今週の動画
牛の目をチェック!【脱水?】

|