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前回、夏バテからの急性肺水腫のお話しをしましたが、このような状態に陥る牛さんは、圧倒的にビタミンA欠乏やカルシウム欠乏のものが多いです。ビタミンAは人間も夏バテ防止に「土用のウナギ」で補給してるでしょ?牛さんも夏場はビタミンAの必要量が増えます。僕のやった調査では、夏場は24%程度多めに必要としているのではないか?という印象があります。(血液中の濃度の比較で調査したのですが、厳密な原因の確定には他の多くの要因も考えないと行けないので控えめに表現しています) 夏場の事故防止の基本として、ビタミンAやカルシウム欠乏の牛さんを見落とさないことが重要です。また、1頭でもそういう牛さんが出たら、同じ月齢の群には全頭対処した方がよいでしょう。中期の牛さんにビタミンAを与えるのを嫌う傾向がありますが、1頭でも死んでしまうとどれだけ牧場の生産コストが上がるかを考えるべきです。経営の目的は、肉質を上げる事ではなくどれだけ資産を増やすかですからね。 どの牛さんにどのくらいビタミンAを与えるか、はかかりつけの獣医さんに相談するのがよいと思いますが、僕はあまり神経質にならなくてもよいと思います。あくまでも経験ですけど、中期の牛さんなら1頭60万単位(ビタラップ63なら10ml)程度与えれば大抵1ヶ月程度は食欲も回復します。もちろん、元気で食欲もバリバリの牛さんに与える必要はありませんよ。あくまでビタ欠の心配のある牛さんです。もちろん、これまで何度もお話ししてきたように、ビタミンAが正常に働くためにも、また、身体を正常に保つためにも重要なドン八ヶ岳は50g×最低3日間程度は与えた方が効果が高いです。 |