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神経の損傷を疑う時の処置 |
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2025年9月1日
暑い日が続きますが、昼間の気温は40℃近くに上がっても、朝夕は涼しさを感じるようになってきました。もう9月ですね、早いですねぇ。そういえば、ついこの前21世紀になったのに、気づけばもう1/4世紀終わっちゃってます。やれやれですね。
ところで、急患で診療すると起立不能やけいれんを起こして、どうも中枢神経がやられているな、と思われる症例によく出会います。倒れてクローリング(遊泳運動)していたり、眼球が振盪していたり、というヘモ(ヒストフィルス・ソムニ感染症(ビデオ:ヘモ)のようなやつです。
他にも、起立不能でしっぽの力がなく(ビデオ:尾力消失)、背中に他より温かいポイントとそれ以降が冷たく感じる脊髄損傷などのケースもあります。
いずれにせよ、原因を取り除く(感染症ならバイ菌を殺すetc.)ほかにやらなければならないのは「神経の賦活」、つまり神経の損傷を修復することです。
これには、必ず必要な処置があります。それはデキサメサゾンとビタミンB1,6,12の投与です。脊髄損傷の場合は打つべき場所があるのですが(ビデオ:脊髄損傷)、それ以外に神経の損傷を疑う場合は、子牛でデキサメサゾンを1~5ml、成牛で5~10mlとフルするなどのビタミンB1、ネオラミンスリービーなどのビタミンB6を含むもの、ビタミンB12でもっとも生理活性の高いメコバラミンを併用して静脈注射します。特にけいれんが激しい場合、子牛でもデキサメサゾンを5~10ml使用する場合もあります。
以外に各地を巡回したときに、これが実施されていないので紹介しました。だまされたと思ってやってみてください。
ヘモ
尾力消失
脊髄損傷
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今週の動画
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