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加地永理奈のコラム
牛乳は犬猫にあげても大丈夫か

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2025年7月23日

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暑いのでリフレッシュにジェラート屋さんに寄ったところ、店員さんと犬用ジェラートのお話で盛り上がりました。
「何味なら大丈夫かな?牛乳?」
たしかに酪農家さんに行くと、牛乳をおすそ分けしてもらっている猫ちゃんを見かけますよね。

犬猫に牛乳をあげても良いかについては、いくつか重要な点があります。

1つめは「乳糖」です。
牛乳に含まれる乳糖(ラクトース)を分解する酵素(ラクターゼ)が少ない「乳糖不耐症」である子が多くいます。
子犬子猫のうちはラクターゼを持っていますが、成長すると徐々に失活していきます。
したがって人間と同じように、牛乳を飲んでも大丈夫な子もいれば、うまく消化できずに下痢をしてしまう子もいます。

2つめは「乳脂肪」です。
人間が牛乳を飲むとまろやかで美味しく感じるように、牛乳には脂肪も含まれています。
高脂肪は消化の負担になり、たくさん飲むと下痢や肥満だけでなく、膵炎を引き起こすリスクもあります。

3つめは「乳タンパク質」です。
牛乳でお腹が不調になりやすい人向けに「A2ミルク」が販売されています。これは乳タンパク質のうち「A1型のβカゼイン」が原因であることが多いためです。「A2型のβカゼイン」のみ含む牛乳であれば、消化に優しくアレルギー反応も出にくいと言われています。

以上の理由から、犬猫には「乳糖がカットされて低脂肪な牛乳」、つまり犬猫用に市販されている加工乳が適しています。
犬猫用にヤギミルクも販売されていますが、これは牛乳に比べて乳糖が少なく、脂肪も消化しやすく、A2ミルクであるからです。

もし犬猫に牛乳をあげるなら、水で薄めて少量からにしましょう。
また無糖のヨーグルトであれば、乳糖も分解されているので大丈夫です。
 
 
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