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梅雨時の腐敗に注意(体験談から)① |
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2025年7月9日
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先日、冷蔵庫にあった残り少ないキムチを、賞味期限も切れていないしまだいけるだろうと食べたところ、お腹を壊してしまいました…。
賞味期限は基本、未開封の場合の話ですから、開封してから時間が経ったものは警戒すべきでしたね。
「発酵」食品だから時間が経っても大丈夫だと甘く見た結果、「腐敗」になってしまっていたという痛い出来事でした。
梅雨の時期は、人の食事関係はもちろんのこと、牛の飼養現場でも「腐敗」が進行しやすいため注意が必要です。
もう梅雨明けしているところもありますが、高温多湿な時期は続きますのでお話させていただきますね。
牛にとっての発酵食品といえばサイレージです。
適切に管理されたものは良い発酵により品質が安定していますが、穴が開いて空気に触れたり、カビが発生したりすると、目立たなくても悪い発酵の腐敗が始まります。
すると、下痢や繁殖障害、最悪の場合には致死性の中毒症状を起こすため、皆さん毎年十分に警戒されていることと思います。
この他にも、高温多湿時期の腐敗、つまり細菌の増殖に注意が必要なポイントがあります。
一つは、除角や去勢後の傷口です。
外気や牛床の湿気で傷口の乾燥が遅れ、細菌が増殖しやすい環境となり、膿瘍や壊死性の炎症に至るケースもあります。
高温多湿時期は特に、雨が降っている日の除角や去勢は避け、術後は乾燥した清潔な牛床で過ごせるようにしましょう。
また同様の理由から、分娩後の子牛では臍の乾燥が不十分となり、臍帯炎になりやすい傾向になります。
臍帯からしっかりと血液をしごき出し、水よりも乾燥しやすいアルコールを含む消毒液を噴霧して乾燥を促しましょう。
特にクロルヘキシジン系は速乾性があります。
つづく
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今週の動画
牛の神経学的検査 〜固有受容感覚〜
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