(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
戸田克樹のコラム
第491話「ハエの話をしましょうか③」

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2025年6月5日

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前回のコラムではハエが恐ろしい病原体を運んでくることを紹介しましたが、そんなハエはどこからやってくるのでしょう。

ハエの産卵場所は糞、生ごみ、死体、変敗した食べ物などに産卵します。卵や蛹の状態ではある程度の寒さには耐えられるので、休眠状態のまま越冬も可能です。やがて気温が上がってくると、ふ化もしくは脱皮して成長していくのです。涎や水などで変敗したエサや牛床に産卵しますので、長期間飼槽内にエサが残っている状態を作らないことや敷料交換を定期的に行うことが大切です。ハエが大量発生したときは敷料交換で一気に発生数を減らすことができます。ちなみに牛舎内における産卵場所は牛がほとんど踏みつけることがないパドックの隅っこであることが多いです。ふ化や脱皮を抑えてハエを成虫にさせない薬剤がありますので、そちらを散布する際は意識的に「部屋の隅っこ」に薬剤を散布するようにしましょう。
成虫対策をするよりも、ウジや蛹に対してアプローチしておく方が舎内のハエの数を減らす上ではより効果的です。もちろん、成虫に対しては殺虫剤も有効なのですが、使用を続けると耐性ハエが発生し、効果がないこともあります。幼虫や蛹へのアプローチを行ったうえで、それでも発生した成虫に対して殺虫剤やハエ取りテープで対策する、という2段階方式で大量発生を防ぎましょう。
 
 
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今週の動画
出生後の子牛の処置の一例

今回の動画では、出生後の子牛の処置の一例を紹介します。処置の方法は様々ですので、あくまで一例としてご視聴いただ

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