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戸田克樹のコラム
第490話「ハエの話をしましょうか②」

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2025年5月29日

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 前回はイエバエが生まれてから成虫になるまで2~3週間しかかからないこと、一生のうちに最低でも250個の卵を産むこと、25~27℃が適温で成長速度が上がる一方、33℃を超えると成長が遅れる上に繁殖障害によって産卵数が減ることを紹介しました。

 今回はイエバエがなぜ問題になるのかを考えてみます。私たちにとっては強い不快感をもたらす存在です。わんさかハエが飛び交っている状況でエサやりなどの作業を行わないといけないのは精神的にも結構なストレスがかかります。顔や体の周りをブンブン飛び回られるだけでうっとうしいです。さらに、ふん便や土の上などの様々なところに降り立ったその手足でエサに飛びつくことが牛にとって極めてマイナスな影響をもたらします。ハエが運ぶ病原体としてよく挙げられるものは・・・
 □ サルモネラ菌
 □ 大腸菌
 □ 腸チフス菌
 □ 赤痢菌
 □ コレラ菌
 □ 回虫や蟯虫などの寄生虫
があります。恐ろしい名前ばかりです。厄介なことに、ハエはいたるところでフンをします。食べたその場でおしっこもします。もちろんその中に病原体も多数含まれていますので、そこが牛のエサ場であればあっという間に汚染されてしまいます。ブルーシートなどでカバーする、エサを台車に入れたあとはフタをするなど、エサの管理方法にも十分な注意を払いたいものです。

 ちなみに、ハエの口はストローのように細く液体しか摂取できません。固形物を食べる場合は一度消化液を口から吐き出して溶かしてから吸い取ります。独特な食べ方です。食べる前に吐くスタイル・・・絶対に真似できません。
 
 
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