(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
戸田克樹のコラム
第489話「ハエの話をしましょうか①」

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2025年5月22日

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 1951年の統計開始以降、初めて九州南部が日本で一番に梅雨入りしたニュースには衝撃を受けました。平年より14日早く、昨年より23日も早いという情報にも驚きです。5月に梅雨入りというのは何とも変な感じがします。

 これから夏がやってきます。確実に気温が上がってきていますので、すでに鹿児島ではハエの大群が診療車を襲撃する日も発生しています。牛舎によって数に差がありますが、ハエ対策は早めに行っていた方がよさそうです。私たち人類にとってあまり好かれていない昆虫ですが、改めて彼らの基本情報をおさらいしておきましょう。
 
 牛舎で遭遇するハエとしてはイエバエとサシバエが牛舎で遭遇するハエとしてはメジャーです。この2種類のハエは、同じ「牛舎」という環境で発生しますが、生態は大きく異なります。まずはイエバエについて基本情報をおさらいしていきましょう。

① 半日~3日で幼虫(ウジ)爆誕!
② 2回脱皮し4~10日でさなぎへ!
③ 4~11日でふ化して成虫へ!
④ 成虫としての生存期間は1~2か月!
⑤ 産卵はふ化後5日目から可能!
⑥ 産卵は一生のうちに5~10回!
⑦ 1回の産卵数は50~150個!

 つまり、卵から成虫まで2~3週間しかかからず、一度成虫になれば死ぬまでに最低でも250、最高で1500個は産卵するのです。特に25~27℃の環境下では幼虫の期間もさなぎの期間も短縮されるので、サイクルはより早まります(逆に33℃以上では繁殖障害やふ化率の低下が起こるため発生数は減ります)。しかもこれは1匹のハエの話です。オスとメスが1組いるだけで250~1500個の卵が作られるわけですから、数匹でも飛び始めたら1か月後にはとんでもない未来が待ち受けていることになります。

つづく
 
 
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今週の動画
牛の○液(取材協力 萩原人工授精所さま)

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