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橋本匠護のコラム
生まれた子牛の活力をチェック

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2025年5月30日

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先日、難産介助の依頼があり往診しました。介助の結果、無事に子牛娩出。

冷水をかけられた子牛がブンブンと頭を振っているのを見て、農家さんは「頭振ってるから大丈夫そうだね~」と安堵されている様子です。この「頭を振る」という行動は、子牛の活力を評価する上で非常に重要だとされています。実際に子牛の活力の評価方法である新生子牛Apgar(アプガー)指数では、「冷水を浴びせたときに活発に反応する(頭を振る)か?」ということを評価することがあります。

Apgar指数では、呼吸の様子、可視粘膜、趾間を刺激したときの反応なども併せてチェックします。他にも心迫数なども確認する評価方法もありますが、今回は獣医繁殖学マニュアルに掲載されている評価方法を紹介します。評価の合計点数が高いほど活力良好と判断します。具体的には合計が7以上であれば正常、4~6なら要注意(軽度仮死)、3以下は衰弱(重度仮死)であるとされています。


新生子牛Apgar指数評価基準:獣医繁殖学マニュアル第二版(文永堂出版)

この中でも「頭を振る行動」と「蹄間を広げた(刺激した)ときの反射」は評価も比較的しやすく、とても実用的です。ということで子牛が生まれた際には、この2点は重点的にチェックしましょう。そして少しでも気になった際には、獣医師に相談、もしくは蘇生処置に移りましょう。
 
 
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今週の動画
出生後の子牛の処置の一例

今回の動画では、出生後の子牛の処置の一例を紹介します。処置の方法は様々ですので、あくまで一例としてご視聴いただければ幸いです。

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