2025年5月10日 *********************************************************** 牛の様子がこちらです。 到着時にはよだれは止まっていましたが、牛は明らかに元気がありません。そして左側の腹部が若干膨満しています。よだれを出していたということなので、口の中をチェックしますが特に異常はありません。 次に食道内の異物の確認、ルーメン内のガス排出を目的に口からカテーテルを挿入していきます。しかし、なかなかカテーテルがルーメンまで到達しません・・・。これは食道が閉塞してしまう、いわゆる「食道閉塞(梗塞)」と呼ばれる状態です。 牛の場合、ヘイキューブや根菜、もみ殻などが食道に詰まり発症することがあるとされています。そのため治療方法として、カテーテルなどを用いて詰まった物をルーメンまで押し込むことが有効です。 ということで今回のケースでも消炎剤などを併用しつつカテーテルで押し込もうとしますが、なかなか押し込めません・・・。このままではルーメンからガスが上手く排出されずに、鼓脹性となってしまう可能性があります。そこで一時的に左けん部にカテーテルを留置しルーメンからのガスが排出できるようにしました。農家さんと相談し、しばらく一頭に隔離してもらい数時間後にもう一度異物除去を試してみることに。 数時間後、また口からルーメンへのカテーテルに挑戦すると、「グッグッ・・、スルスルスル~」と入っていくではありませんか! 結果、カテーテルはルーメンまで到達し、食道の開通が確認されました。その後、食欲、活力ともに徐々に改善し、無事に治癒となりました。 今回は早めの発見となったため、良い結果になったように思われます。多量のよだれと腹部の張りなどの症状を見かけた際には、お早めにご相談ください。 |