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第486話「消毒薬は何がいい?⑥~その他~」 |
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2025年4月24日
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逆性石けんを推奨してきた本コラムシリーズですが、有効な病原体の種類は圧倒的にアルデヒド系の消毒薬が多いです。防護メガネやマスクの装着といった手間がかかってはしまいますし、散布した消毒剤を牛が吸引しない環境での使用が求められるため、使用時にいろいろと注意が必要なのは難点ですが、生体がいない条件においては、アルデヒド系の消毒薬の使用が最も好ましいといえます。
また、ちょっと注意してほしいのが、消毒薬の併用は消毒効果を減弱させる可能性があるため避けるべきであるという点です。とくにハロゲン系(塩素系とヨード系)消毒薬はアルカリ環境下で効力が大幅に落ちるため、消石灰との併用はNGです。たとえば、ビルコンなどで長靴や床面を消毒した後に消石灰と接触させると、消石灰の消毒効果が打ち消されてしまいます。ほとんどの消毒薬は有機物との接触で消毒効果が落ちてしまうので、確かに事前の洗浄は大切です。有機物を事前にある程度落としておきたいのであれば、水道水や逆性石けん消毒薬で洗ってから他の種類の消毒薬で消毒するような方法を選択してください。
これまでいろいろな消毒薬について説明していきましたが、「通常の消毒は逆性石けんで問題ない」ということをまずは抑えておけば大丈夫です。それではダメだ!というケースにおいてのみ、他の種類を検討することになります。牧場で問題となっている病原体はそれぞれ異なると思いますので、ターゲットとなる病原体にあった消毒薬を選択するようにしましょう。また、特に床面については水洗で病原体そのものを除去したり、石灰乳で“フタ”をしたりする方法も活用してみてはいかがでしょうか(写真①②参照)。これまでの内容が牛舎から病原体を一層する一助となることを願って、消毒薬シリーズを終えようと思います。
①床面洗浄を実施した牛舎

②石灰乳を塗布した牛舎

おわり
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牛の視力検査
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