2025年4月22日 *********************************************************** 【 産出額と消費動向の推移 】 • 肉用牛の産出額は、平成25年(2013年)の5,189億円から令和5年(2023年)には7,696億円に増加し、約1.5倍になった。 【 生産構造の変化 】 • 枝肉価格の高騰(H27〜R3)を受けて、肉用牛の生産基盤が拡大。 【 枝肉価格の傾向 】 • 和牛枝肉価格は、供給過剰と消費減退の影響で弱含み(軟調)。 【 輸出の拡大 】 • 牛肉輸出は順調に伸び、2024年は36の国・地域に10,826トン・648億円を輸出し、いずれも過去最高。 【 消費ニーズの多様化と品質の高度化 】 • 消費者の嗜好は「霜降り」一辺倒から、「適度な脂肪交雑」や「赤身重視」などへ多様化。 現在の状況を「国」は上記のように認識しております。どの項目も小生が日頃見聞きしている現状と大きく変わりません。今後の展開としては、まだまだ牛肉消費の改善は厳しいものがあると考えています。特に高品質牛肉の取り扱いが非常に難しいのではないかと思います。では今後「国」はどのような対応をして肉用牛の政策を進めていくのか。大まかな流れを把握しておくことは非常に重要だと考えるので、以下にまとめておきますね! ≪ 国の今後の対応方向について ≫ 【 消費者ニーズへの対応 】 • 和牛の強み(霜降り)は維持しつつ、「オレイン酸などの食味関連形質」や「霜降りの形状(小ザシ)」など新たな評価基準で改良と価値訴求を行う。 【 輸出拡大の取り組み 】 • 認定団体が中心となり、「オールジャパン体制」で認知度向上と商談支援を実施。 今後の対応方向を読むと、「多様化」と「輸出拡大」がやはり大きな柱のように思います。オレイン酸などのMUFAが枝肉評価の基準となることは知っていたのですが、小ザシが評価基準に含まれる可能性については、小生は知りませんでした。これは今までにない面白い基準であると思いました。 配合飼料価格高騰などの影響から、肥育期間の短縮も大きなポイントとなっています。今までと同等以上の成績を短期間で作り上げる。この目標に向かって様々な取り組みを行っている農場も多数あります。自分たちの手で変えることができることはなかなかありませんが、ここのポイントについては頑張ればできる目標です。検討する価値は大いにあると思います。 輸出に関してはもう、頑張っていただくしかありません。小生は間違いなく世界に大きな需要があると確信しております。難しい問題が山ほどあると思いますが、官民あげての取り組みを期待しております。国内生産量に対する輸出割合まだ3%です。ここの数値が上がってくればまた少し状況はかわってくるのではないでしょうか。 とは言ってもですね・・・ |