(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
蓮沼浩のコラム
第825話:今後の方向性 その1

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2025年4月15日

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令和7年4月11日に農林水産省から「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」と「家畜改良増殖目標」などが公表されました。日本という「国家」が今の畜産業の現状をどのように考え、今後どのようにしていく考えなのか。やはり田舎の片隅でもぞもぞ動いているだけの鼻糞獣医師といえども、畜産業に携わっている以上は知っておいたよいと考え、結構ボリュームがありますが、読んでみました。今回から数回にわけて、紹介してみようと思います。

最初に「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」の「まえがき」について紹介いたします。ここを読むことで大まかな方向性がつかめます。

【 畜産業の現状と重要性について 】
・ 畜産の産出額は農業全体の約4割(2023年:約3.7兆円)で、米(16%)や野菜(24%)よりも大きい。
・ 過去10年で1.4倍に成長、農業生産額に占める割合も7ポイント上昇。
・ 酪農・肉用牛生産は資源循環型で持続性が高く、地域経済・観光にも貢献。
・ 中山間地域も含め、地方創生にも資する産業。

【 基本方針の策定と背景 】
・ 令和2年3月に第8次基本方針を策定:増産・増頭による生産基盤の強化が柱。
・ しかしその後、国内外の状況が急変。

【 畜産を取り巻く課題と変化 】
・ 外的ショック:コロナで消費低迷→脱脂粉乳の在庫増加、枝肉価格下落。
・ 国際情勢:ウクライナ危機・円安・資材高騰でコスト増加。
・ 前提条件の変化:安価な輸入飼料への依存はリスクに。国産飼料基盤の重要性が増大。
・ 人口減少と労働力不足:2050年に生産年齢人口は約30%減、農業・物流にも影響。

【 対応すべき方向性 】
・ 省力化・スマート農業技術の活用。
・ 飼料生産の外部化、労働の効率化。
・ 輸出・インバウンド市場の拡大:アジア中心に需要増加中。
・ 国内需要の維持・拡大:需給ギャップの解消がカギ。

【 地球環境問題への対応 】
・ 温室効果ガスの削減、資源循環型農業への貢献が求められる。
・ 消費者への情報発信と理解促進が重要。

【 今後のビジョンと方針 】
・ 基本方針に基づき、関係者が一体となって対応を推進。
・ 高品質な国産畜産物の価値向上と国内外供給を目指す。
・ 若い世代にとっても魅力あるビジョンを提示。
・ 方針の目標年度は5年後、進捗状況は毎年検証し改善。

なるほどねえ~~~

いろいろ思うところは山ほどありますが、書いてある内容はよくわかります。どうしてもこのようになってしまいますよね。ただですね、小生はこの基本方針を読んでもまったくワクワクできませんでした。

基本方針のサブタイトルには「改革の時代を切り拓く、酪農と肉用牛生産の新ビジョン」と書いてあります。若い世代にとっても魅力あるビジョンを提示するとも書いてあります。

だからこそ、ここは一発「大風呂敷」を広げるぐらいのパンチの効いたビジョンを出してもらいたかった。

例えば・・・

食料・農業・農村基本法が改正され、食料供給困難事態対策法も制定されました。世界情勢は混迷を深め、日本の農業が大きく衰退する中、一気に状況を打開するために今後は農林水産省が一丸となって、政府および国民の理解を得て、予算を現行の倍額に増額することを目指します!!!

例えば・・・

農業を若い世代や地方にとって今以上に魅了ある世界にするために、「農業の所得倍増計画」を作成し、実現を目指します!

世界の金融博打の鉄火場で下手したら農水省の年間予算に近いお金を「溶かす」ぐらいなら、何とかならないのかと。

「これからの日本の農業を発展させ、日本の畜産業だけでなく日本の食料を守るために農林水産省の予算を倍額獲得いたします!そして、農業の所得を倍増します!」

なんか、夢があるね~~~

すんません、何も現状を理解していない、ただの大バカ者の意見でした。
 
 
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