2025年4月18日 *********************************************************** 異食症の原因に関しては分かっていないことも多いですが、原因の一つとして何らかの栄養素の欠乏により引き起こされることがあるとされています。例えば2017年のイランでの調査によると、異食症の牛では血中の鉄、カリウム、リン、クロールの濃度が低いことが報告されています。 ということで、今回の糞便を食べちゃっていた牛から採血をして、上記のいくつかの項目を調べてみることにしました。結果がこちらです。 なんだか色々気になる血液検査結果です・・・・。ですが、とりあえず血清鉄濃度は低いという結果になりました。獣医内科学大動物編(文永堂出版)によると牛の血清鉄濃度は54~162μg/dLとされているため、いわゆる鉄欠乏の状態です。ということで、この子牛には鉄を含む添加剤を給与してもらいつつ、治療を進めていくことになりました。 今回の場合は鉄欠乏の関与が疑われましたが、他にも上記の栄養素以外の欠乏、ストレス、乾物摂取量不足、癖などなど、様々な要素が関係している可能性が示唆されています。ということで、変な物を食べる牛を見かけた際には、一度獣医師にご相談ください。 |