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加地永理奈のコラム
育成牛で乳房炎?

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2025年4月16日

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まだ5か月半くらいの月齢のホルスタイン雌子牛で、乳房が1か所だけ大きく張ってしまいました。

触ってみると、乳房は硬く熱感があり、乳頭内にはドロっとした触感の液体があることがわかります。まるで搾乳牛の乳房炎です。
疼痛もあるようで、触ると嫌がります。しかし搾ってみても何も出ません。
発熱はなく食欲もあるため、ひとまず抗生剤の投与に加え、消炎鎮痛剤としてデキサメサゾンを使用し、反応をみることにしました。

しかし、デキサメサゾンを数日使っても、抗生物質を変更しても、乳房が縮小する様子はありませんでした。まあ少し柔らかくなったかな…?程度です。

やはりなんとか搾り出すしかないかと、再々診日にもう一度搾乳チャレンジをしてみると

出ました!
ヨーグルトくらいの固さで、粘性もある白い物体が出てきました。他に例えるなら木工用ボンドでしょうか。膿の匂いがするかと思いましたが、匂いはありません。
さらに搾るとどんどん出てきて、最後は少し血混じりになっていましたが、絞り出した後の見事に乳房は萎んでいました。

子牛の診察をしていて、このような症例に出会ったのは初めてでした。
これも細菌感染が原因の乳房炎でしょうか。
しかし「未経産乳房炎」というには若すぎる月齢です。

この乳汁(?)については、これからPLテストと培養検査をしてみようと思います。
ご知見のある方はぜひご意見をお寄せください。
 
 
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